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僕は、CMT病という病気を持っています。この病気の特徴は、「進行性の末梢神経麻痺」だということです。その結果、現在も両手・両足の膝や肘から先に、神経がきちんと働いていないために、筋力の低下・感覚の鈍さ・骨格の変形等が見られます。現在は、身体障害者手帳5級をもっています。
発症を自覚したのは、茅ヶ崎小学校3〜4年の頃でした。「転びやすい」とか「しゃがめない」等の不便さが、ちょっと気にはなりましたが、走り回って暗くなるまで元気に遊んでいましたし、一中では卓球部に所属し、毎日ハードな練習をこなしていました。
しかし、中学2年の時に、顧問の先生から「和田君、少し膝が悪いんじゃないの?一度医者に行ってみたら」と言われたことをきっかけに、病院(一般外科)に行きました。診断は「内反足」とのことでした。
ちょうどその頃、少し足が変形し、歩くのに左足の外側が当たって痛みを感じるようになりました。しばらくは、登下校もままならず、自転車通学、体育や部活を休止することになりました。その間、一ヶ月ほどでした。その後は、痛みも引いて、何とか日常生活に支障がないようになりましたが、運動はきつくなるばかりです。そこで,専門病院を探して見てもらいました。その結果、藤沢西高校1年の時に行った藤沢市立病院での検査で、「CMT病」と診断されました。しかも、「この病気は進行性で、歩けなくなる可能性もある。(5%ぐらいと言われました)また、遺伝性の疾患である。原因も特定されてないし、治療法もない。」とのことでした。
自分の足が変形し、歩き方がおかしいことや、運動は苦手になってしまったこと、思わぬところで転んでしまうことなどが、青春時代に暗い影を落としていたのは事実でした。親を恨んだこともありましたし、「このような辛い思いをするのなら、子供は作ってはいけないのではないか」といった辛さが、いつも心の片隅にあったと思います。
しかし、僕自身はCMT病に負けずに、今まで以上に身体を鍛えようと思って、かなりむちゃもしたし、スポーツの選手はもちろん諦めましたが、病気によって自分の人生を限定しようとは思っていませんでした。
そして、宇宙物理を志して上智大学に入学しました。麻雀に明け暮れていた毎日でしたが、ひょんな機会で、扉をたたいたのが、上智大生のグループである、障害児のためのボランティア活動「わかたけサークル」でした。
基本的な活動は、目黒区にある油面小学校の敷地内にある「わかたけ学級」という重度の障害を持った子供達のための「特殊学級」の子供達と毎週土曜の午後を一緒に過ごす、という内容でした。
僕は、初めて会う「重度の障害児」に愕然としました。第一印象は、「汚い、気持ち悪い、不気味」といった感触だったのを覚えています。
しかし、毎週通う中で、僕は「障害」に隠れて見えない、一人一人の子供達の素晴らしさに魅了されていきました。その経験は、僕の人生にとって衝撃的なものでした。(この出会いで、福祉を志すことになったのですが、その経緯はまた別の機会に)
自分のCMT病という「一見、ハンディキャップに見える」ことが、大したことのないように感じたのです。これは、「僕よりもっと重い障害を持った人がいる」という意味ではなく、「人の価値は,病気や障害とは関係ない」、ましてや、「見てくれや生産性じゃない」という、もっとも人として根本的なことを教えてくれたのだと思います。
その結果、「歩きにくいことの不便さ」より「今自分の足で歩いていることの喜び」が全身を幸せな気持ちで包んでくれるようになりました。
つまりは、「限界(あれも出来ない、これも出来ない)」に目をやるのではなく、「可能性(こんなことだって出来る。あんなことだって出来る)」に目を向けることの大切さを教えてもらったのです。
そして、それからの人生、CMT病と前向きに付き合っていこうと思うようになりました。
この病気の発症率はとても低く、日本では10万人に数名と言われています。しかし、欧米では、その倍は報告されています。
しかも、欧米ではCMT患者の会が全国的な活動を展開し、患者や家族の支援もしています。日本では患者会もありませんし、研究もあまり進んでいないのが現状です。
発症率が低いため、僕も長い間孤独でしたが、多くの仲間が、病気を隠したり、家族間でトラブルになったり、障害を受容できずに悩んでいます。茅ヶ崎では、発症率から言えば、数名しかいない患者さんの問題かもしれませんが、全国では何万人にものぼるはずです。その人たちや、これから病気を背負って行くであろう子供達のためにも患者会を作り、当事者間のネットワークを強化するとともに、原因究明や治療法の発見のためにも、患者会の活動を活発にしていきたいと思っています。
この活動は僕にとっては、一生続ける「ライフワーク」なのです。
※個人で立ち上げているCMT病関連ホームページを紹介します。
http://members9.tsukaeru.net/yukaijuku/
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Namiki/3606/index.html
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